カラフルキャラメル

-映画・美術・旅行・お茶など-(基本的にネタバレで好き勝手、雑に書いています)

ゼロ・ダーク・サーティ(ZERO DARK THIRTY)

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And you're going to kill him for me.
私も158分、主人公マヤと同じく、眉間にシワを寄せながら観ていました。
マヤが出勤するとき、ゲートを出た瞬間に狙撃され、思わず、悲鳴でも叫びでもなく、ひとこと「わっ」って言っていたのが印象的でした。
キャスリン・ビグロー、『ゼロ・ダーク・サーティ』特別映像でマーク・ストロングに「彼女の魅力は女性監督らしからぬ男くさい作品を撮るところだ」なーんて言われてますけれど、『ハート・ロッカー』に続き、今回も重厚、骨太、ストイックといった感じで、個人的には高村薫の小説を読むときに受ける印象と似ています。おそらくは、マヤに自身を投影させているのでしょうけれど、カッコよすぎです。
ビン・ラディンを殺したからといって、平和が訪れるわけではない。誰が死んでも状況は変わらないということを判っているので、『アルゴ』のような爽快感はもちろん無い。オバマ大統領がビン・ラディン殺害を発表したときの声明の中で「Justice has been done.」とありましたが、生き残った者がやらなければならないという使命感と正義と復讐が曖昧になって、任務の成功=人を殺すということに果たして意義はあるのか、そもそもこの闘いとはなんなのか?という疑問や虚しさが残りました。根本的な原因は解決されていないのに、膨大な犠牲者と巨額を投じているのですから...
拷問シーン、リアルで生々しかったですが、ジョニー・トーの映画でもっとエグいのを観ちゃっているからか、こんなもの?って思ってしまいました(ヒドイ...)。映画用にマイルドなのですよね?きっと。とはいえ、ジョニー・トー映画では考えもしなかった、拷問する側のタフさというか、異常さというか...精神をすり減らす、まいる仕事だよなぁ。そもそもスパイ活動なんてジェームズ・ボンドのような華やかさはなく、ジョン・ル・カレの小説のように基本的には地道な調査や忍耐力、拷問されたり・したりの壮絶さ、上からは具体案も出さずにとにかく何とかしろと言われて、ほんとーに大変な職業だよ...
ついでに、モーガン・スパーロックビン・ラディンを探せ! スパーロックがテロ最前線に突撃! WHERE IN THE WORLD IS OSAMA BIN LADEN?』(2008)のDVDを観返してみました。一緒に観てみると面白いと思います。
しかし、ビン・ラディンのコードネームが「ジェロニモ」っていうのもどうかと思うけれど。


『ゼロ・ダーク・サーティ』特別映像