カラフルキャラメル

-映画・美術・旅行など-(基本的にネタバレで好き勝手、雑に書いています)

ウィル・ユー・スティル・ラブ・ミー・トゥモロー?(明天記得愛上我)

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ストーリー:幼馴染の妻とかわいい子どもという幸せな家庭に恵まれながらも、ふと気づくと冴えない気分で日々を過ごしているウェイツォン。ゲイであることをひた隠し、鏡に映るおなかに人生とは何だろうと考え込む。そんな時、偶然出会った客にひと目ボレし、妹の結婚騒動までもが勃発。愛と幸せを考え、ウェイツォンが下した決断は…。ヴィム・ヴェンダースがプロデュースした『台北の朝、僕は恋をする』のアーヴィン・チェン監督が描く、群像ラブコメディー。(以上、第22回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭HP上映作品-ウィル・ユー・スティル・ラブ・ミー・トゥモロー?より)
公式サイト http://www.1production.com.tw/luvmetmr/tw/index.php
第22回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭にて鑑賞。
リッチー・レン任賢齊ジョニー・トー映画でしか見たことがなかったので、コメディ&表情豊かな任賢齊を見るのは初めて。テーマ的には重たいと思いますが、コメディとしてすごく笑えて、またホロっとさせられたり、上映中、会場の雰囲気がよくて笑ったり、展開に驚いたりと感情豊かで愉しかったです。
ゲイを封印して、幼馴染の女性と結婚し、子供も持つが、一目惚れした男性が現れて、果たして...というお話でした。恋に落ちるなんともいえない高揚感や思わずニヤニヤしてしまったり、フワフワ宙に浮いているんじゃないかっていう感じを表現しているシーンは思いあたるなぁ。香港メガネ男性は私的にもツボでした(友人Stephenに「飲茶dim sum」呼ばわりされていたけれど...)。眼鏡屋さんって事務的に検査とか調整とかしていると思っていたけれど、それが思惑が違うと、視線を交わしまくってあんなにエロいのね(笑)。
Stephen(柯宇綸)がレズビアンの女性と結婚したゲイとして出てくるのですが、前に観た『GF*BF』といい、片や割り切ることができず悩んでいる、片や割り切って清々しく生きていると対極化して見せられて、自分ならば、果たして選択できるんだろうか?と考えたり。勿論、自分に嘘をつくことなく、ありのままで生きられればいいのだけれど、その代償として誰かを傷つけたりするわけで...誰かとふたりで人生を生きていくということはどういうことか、色々難しいなぁと思いつつ、そういう割り切れない、曖昧でうまく答えが出せないのが人間なのだなぁ、とかつくづく思ってしまいました。とはいえ、人々が「より損をしない」を選ぶ風潮になってきて(回り道=損みたいな単純な考えは嫌だな)、時間は一分たりとも無駄に過ごしたくないというのは理解できるんだけれど、そのために人を案外すぱっと切り捨てたりもできるんだなぁとか。この映画に関しては、リッチー・レンの奥さん(范曉萱)がラストで選択したことには私も賛成だけれども(それにしても仕事が出来るようには思えなかった(笑))、子供の親としてのリッチー・レンの気持ちはどうなるのだろうか?ということと、子供が傷つきそうだなと思うと切なかったです。
なんとなく、私はゲイカップルを見ると男女のカップルより、より幸せそうな雰囲気を感じ取ってしまうのですが、なかなかいろいろあるのだなと思いました(あたりまえだ)。セクシャル・マイノリティー、もちろんマイノリティーという言い方で仕方ないとは思うのだけれど、この言葉に狭量感というかなんというか...生き方のひとつとして普通な感じであって欲しいな。