カラフルキャラメル

-映画・美術・旅行など-(基本的にネタバレで好き勝手、雑に書いています)

GF*BF(女朋友。男朋友)

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ストーリー:メイベル(グイ・ルンメイ)、ライアム(ジョセフ・チャン)、アーロン(リディアン・ボーン)の3人は台湾南部の山深くにある小さな町で生まれ、クスノキとモクレンの木々に囲まれた、のどかな田園風景の中で育った。しかし何百年ものあいだ、何も変わらないようなこの常夏の楽園でも、時は着実に過ぎゆく。時は1980年代、社会革命が広がる直前の台湾では、戒厳令下でまだ戦いが続いていた。3人も運動に身を投じる。校内の壁にスローガンを大書し、扇動的な詩をのせた学校新聞を発行し、朝礼で抗議運動を企てる。やがてのんびりした田舎の暮らしを離れ、きらめく都会に出ると、台北の大学生となった3人は三月学運に参加し、自由と民主主義を訴えるデモを行うなど、以前にも増して理想のために激しく戦うようになる。そんな中、ライアムの長いあいだ隠していた秘密が暴かれ…。 (以上、第4回アジアンクィア映画祭HP上映作品ーGF*BFより)
第4回アジアンクィア映画祭@シネマート六本木、5/25、6/2の上映2度とも観に行ってしまいました。チケットは発売当日完売、当日券完売、立ち見も出ていたので、より多くの人にこの作品を観て欲しいと思うと、私が2度観るその分誰か1人観れたのに、と思わなかったわけでもないのですが…。ぜひ日本で上映して欲しい。青春時代の眩しいキラキラ感、体制への不満や自由を求める独特の熱狂した感じ、複雑な三角関係、自分を傷つけたくなったり、ヤケになったりすることとか観ていて、胸が痛くて、感情を揺さぶられる要素てんこ盛り!吉田秋生ラヴァーズ・キス』『夢みる頃をすぎても』、柴門ふみ『あすなろ白書』の漫画を思い起こさせたな、要はとてもピュアだということ。好きになった人にすでに誰かが居たといった成就されなかった恋愛の思い出がある人なら、グサグサ胸にくると思います(笑)。観た人の境遇によって感情移入や揺さぶられる箇所は様々でその点でもよく出来ている作品だなと思いました。2度目観た時は「もう泣く準備は出来ていた」状態で早い段階で涙腺が決壊…主人公3人がそのまま一緒に居れば、どうしたって幸せになれないことが判っているから、よけいに胸が詰まります(私だったら、この3人の負のスパイラルからさっさと抜け出すような気がする)。特に王様ゲームの場面、カラオケの場面なんてね、もう。表情や視線などの表現が繊細で、あーこういう感情ってあるよなぁと何度思ったことか。ライアムの内向的な性格ととにかく優しいところ、好きがだだ漏れているところ(腕にボールペンでタトゥー風に書かせているところとか)がツボでした。メイベルと仲直りするシーンで彼が着ていたシャツは中正紀念堂でメイベルからプレゼントされたシャツだよね?そんなところが彼の優しい性格が表れてて良かったYO!グイ・ルンメイとジョセフ・チャンの演技がとにかく素晴らしかったです。「観た後、しばらくこの映画のことばかり考えてしまう(←私の映画に対するいちばんの褒め言葉!)」映画でした。楊雅喆監督はこの作品のテーマは「家族」だと言っています。なるほど。アーロンはやっぱり自分の家族への愛情を選択するし、ライアムが双子の娘たちを引き取ったのはメイベルの愛情を別の形で受けたわけで。ラスト、バス停での父と娘ふたりの愛情溢れたシーンと台湾に初めて旅行したときに感じた緑が多くて気持ち良いところが表れていて、号泣(帰りの電車内でも思い出し落涙)。植物の使い方が上手だったなぁ。あと、セクシャリティーに関しては、生殖のことは考えなければ、性別は関係ないと思うけれど、もし自分が同性から愛を告白された時って、受け入れられるのかなとか考えたり…