カラフルキャラメル

-映画・美術・旅行など-(基本的にネタバレで好き勝手、雑に書いています)

ジャンゴ 繋がれざる者(DJANGO UNCHAINED)

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I'm sorry. I couldn't resist.
『ジャンゴ』もスクリプトがありました↓
http://twcguilds.com/assets/screenplay/django/screenplay.pdf
歯医者だから、馬車の上についている歯のオブジェがぶんぶんに揺れている姿がキュート(金庫がわりにものを隠せるし)!

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『レザボア・ドックス』の公開が1992年だから、それからもう20年経つっていうのにまずビックリ!時間が経つのが早・過・ぎ・るー
さて『ジャンゴ』ですが、ひとことで言うと「カッコイイ!」
なんというか、タランティーノ映画が好きな人を裏切らないエンタメ要素がスゴイなぁ、ツボを押さえるなぁと。マカロニウエスタンブラックスプロイテーション、カッコイイ音楽、カッコイイ構図などタランティーノの好きなもの満載でいい意味でお腹いっぱい。
クリストフ・ヴァルツ演じるDr.キング・シュルツがサイコーでした!義と情に溢れていて(決して正義ではない、ジャンゴに子供の目の前で父親を射殺させたりするし)、品があって、オシャレで、ジャンゴに対しての敬いを感じさせる。「自由を与えることは、責任も取らなければならない」、キャンディと握手しないシーンで見せた信念の強さ・気高さは、近年観た映画のなかで最も好きなヒーローとなりました。もともとタランティーノがクリストフ・ヴォルツを念頭において、キャラクターを描いたそうですが、自身の魅力を捉えた上品で飄々としていて、熱いものを秘めた人物で色々賞を受賞したのもわかります。『イングロリアス・バスターズ』のランダ大佐や『おとなのけんか』のケイト・ウィンズレットの旦那役もサイコーだった。あと語学力が高いっていう点が私的に好み。この映画においてヨーロッパ人として、奴隷制度と距離を持った人間だからこその強みというか力があるのでしょうね。ジャンゴとは握手するけれど、キャンディとはどうしてもできない、そこで我慢すれば全てがハッピーエンドで収束したのに、命が亡くなることがわかっていたとしてもできないことはできない。義と情に関して言うと、ジョニー・トーの『エグザイル/絆』を観たあとの印象にとても近かったです。ラストの、ン・ジャンユーがニック・チョンの奥さんに鍵を託し、扉を閉めるところからレッドブルの缶が床に落ちるまでのシークエンスを観て、衝撃を受け、ガビーンってなってしまったのだけれど、それと同じような印象を今回も受け、Dr.キング・シュルツが自分の信念に背くことをしないという選択肢を取ったところで私の中でクライマックスを迎えてしまいました。ジャンゴがAuf WiedersehenとDr.キング・シュルツの髪に触れるシーンで涙...
ブログ「愛すべき映画たち」のmicchiiさんのご指摘の通り、『ジャンゴ』でのジャンゴがスティーブンに「お前は残れ」というところは、『エグザイル/絆』でサイモン・ヤムがアンソニー・ウォンに「お前は残れ」と言ったのオマージュ(パクリ)だろうなぁ...と。フフフ。
このサイトhttp://www.mtvjapan.com/blog/mtvnews/2013-02-26/5818深作欣二監督と「仁義」についてのタランティーノのコメントがよかったです。わかってるね、タランティーノ
アカデミー賞脚本賞でのタランティーノの受賞スピーチ:
"I've been saying things like, 'I want to thank the actors for what they've done' when it comes to my scripts. But it's not just an easy thing to say. It's really why I'm standing here," said the filmmaker. "I actually think if people know about my movies 30 years from now, it's going to be because of the characters I created. I only get one chance to get it right: I have to cast the right people to make those characters come alive and hopefully live for a long time. Boy, this time, did I do it. Thank you so much, guys."
アカデミー賞助演男優賞でのクリストフ・ヴァルツの受賞スピーチ:
"We participated in a hero’s journey – the hero here being Quentin. And you scale the mountain because you’re not afraid of it. You slay the dragon because you’re not afraid of it and you cross through fire because it’s worth it. I borrowed my character’s words so sorry… couldn’t resist."
so sorry… couldn’t resist.っていうのは、Dr.キング・シュルツの握手しないシーン後の「I'm sorry. I couldn't resist.」ですね!