カラフルキャラメル

-映画・美術・旅行・お茶など-(基本的にネタバレで好き勝手、雑に書いています)

イタリア映画(DVD)祭り

ここ最近、イタリア映画(DVD)祭りだったので、一言コメント。

●カラヴァッジョ 天才画家の光と影(Caravaggio/2007年)
イタリア美術史を勉強した私にとって、ヨーロッパで観てきた、数々のカラヴァッジョ作品や光と陰のコントラスト(キアロスクーロ)がこうやって描かれていたのか、枢機卿や侯爵(ゴンザーガ侯爵!)の肖像画、低い階段がある宮殿や庭(迷路みたいな庭はああやって遊ぶのか...)がヴィジュアル化されて、すっごく面白かった!カラヴァッジョは画家のくせにいいカラダ過ぎ(笑)。コンスタンツァ・コロンナ侯爵夫人役のエレナ・ソフィア・リッチがとても綺麗でステキでした(「あしたのパスタはアルデンテ」の叔母さん役)。ローマでカラヴァッジョ巡りしたくなったなぁ。

●昼下がり、ローマの恋(Manuale d'amore 3/2011年)
若者、中年、熟年のそれぞれイタリアの男女の恋模様というか、男性視点(中心)の教訓的な物語。原題は「恋愛マニュアル」だけれども、これやっちゃダメなマニュアルでしょ(笑)
若者編:リッカルド・スカマルチョが恋人にいかに自分が何気ない日常の中できみのことを想っているかをとうとうと語る場面に、恋人が一言「それ、口からでまかせでしょ」には笑いました。旅先に恋人が「来ちゃった」シーンはちょっと引いたなぁ...
中年編:誘惑されていい気になり、火遊び的につきあった女性が、実は本物のイカレたストーカーで家族も仕事も名誉も失って、治安のめちゃくちゃ悪いアフリカに特派員として左遷される顛末...カツラも取られちゃうしね。個人的には中年編が一番面白くて、大爆笑!
熟年編:映画秘宝曰く「いまもっとも仕事を選ばない男」ロバート・デ・ニーロが全編イタリア語を喋っていて、しかも恋のお相手はイタリアの至宝モニカ・ベルッチモニカ・ベルッチのストリップ指導が始まり、ロバート・デ・ニーロが服を脱ぎ始め、心臓移植の傷跡を乙女が胸を隠すように恥じらうところは苦笑?爆笑?

●穏やかな暮らし(Una vita tranquilla/2010年)
昔、南イタリアナポリの犯罪組織カモッラでヒットマンをやっていた主人公が事故死を偽って、ドイツの田舎町に逃れ、やっと手に入れた穏やかな暮らしが...といった、‘簡単には足を洗わせてはもらえない’物語。主人公&ドイツ人の奥さん、どちらもお互いの母国語を喋り、家族の会話がドイツ語とイタリア語ごっちゃになっていて、語学好きとして面白かったです(きっと割と普通なことなんだと思うけれど)。が、そもそも身勝手過ぎる主人公にはちょっとねぇ...名作『ヒート』の中のロバート・デ・ニーロの台詞「30秒フラットで高飛びできるよう、面倒な関わりを持つな」を思い出し、こういった人物はやっぱり家庭を持っちゃダメなんじゃん、とか思っちゃったり。主人公がトンズラしたあと、残された奥さんや子供が可哀想過ぎ&殺されたりしなきゃいいけれど。

●至宝 ある巨大企業の犯罪(Il gioiellino/2011年)
期せずして、トニ・セルヴィッロ祭りでもあった(「湖のほとりで」「穏やかな暮らし」「至宝」「ゴモラ」)。老猾ってこの人のことを言うのね、の典型。サイモン・ヤムみたいにギラついてないし(笑)という意味で本当にコワイ。社長の右腕でCFO財務責任者で部下を1人も付けずに仕事をしてきたのに、社長の姪っ子を社会経験にと押し付けられて、あっという間に肉体関係に...あのズボンのファスナーをおろす音のリアルさ!「ハゲタカ」ドラマ(企業買収やら株式がどうのこうの)は私には知識がないのでちっとも判らないのですが、結局、従業員は上からの命令に従うしかできない(文書改ざんとか)のだなぁと。さもなきゃ、マーケティング部長みたいな選択をするしかないのか...と大変嫌な気持ちになりましたよ。

ミラノ、愛に生きる(Io sono l'amore/2009年)
なんというか、女性のinamorata(in love)な状態をこれでもかと見せつけられた映画。こういうときって、本人には(特に忠告・苦言など)何を言っても無駄なのよね。富豪の上流階級に嫁ぎ、何不自由の無い暮らしだったけれど、自分を押し殺して生きてきた主人公が息子の友人のシェフと恋に落ち、本当の愛を知り、生きている感覚を取り戻す...どんどん解放(開放)されていく表情は良かったです。が、全てを捨てて迄の恋愛だったのかなぁとも思ったり、女性は現実的と言うからね。それにしても、ロシア語で話すことで唯一のアイデンティティを守ろうと母のためにロシア語で話しかけていた息子が可哀想だったなぁ。

ゴモラ(Gomorra/2008年)
訛りがものすごくてイタリア語が全く判らなかった。
まぁ本当に救いの無い話で暗い嫌ーな気持ちにさせる映画。組織に憧れる少年、「スカー・フェイス」に憧れて盗んだ銃を乱射しまくる若者2人、そんなことがカッコイイ、イケてると思っていて本当にバカじゃないの?!と思わず口に出して言ってしまったけれど、この世界(土地)でしか生きていけない負の連鎖。考えることを与えられない、選択肢ははじめから無い、やれと言われたらやるしかない...ここに出てくる若者たち、二十歳まで生きていけないだろうなぁ...特に若者2人は全能感というか怖いものは無い感満載で頭のイカれっぷりが怖かった。やだやだ。